聞き手/髙橋 博樹(日経BP 総合研究所主席研究員)
商品やサービスがどのような社会づくりに役立っているかを表現するパーパスを策定した。優先的に取り組む「顕著な人権課題」を特定し、課題解決を通じて環境や社会の持続性に貢献する。
2023年2月にパーパス「心の豊かさを、もっと。」を公表しました。

廣渡 清栄(ひろわたり・きよひで)
日本たばこ産業 代表取締役副社長 コーポレート・サステナビリティマネジメント・医薬事業・食品事業担当
1989年日本たばこ産業入社。2010年法務部長、12年執行役員法務責任者兼法務部長、14年執行役員法務責任者、15年執行役員たばこ事業本部事業企画室長、17年執行役員人事担当、18年1月執行役員副社長、同年3月代表取締役副社長(現任)、22年より現職(写真:村田 和聡)
廣渡 清栄 氏(以下、敬称略) 社会・経済情勢は様々な要因が複雑に絡み合い、予測が難しい時代を迎えています。テクノロジーや科学の飛躍的な発展、新型コロナウイルスや大規模な自然災害、国際紛争などの地政学的リスク、世界規模のインフレや為替相場の大幅な変動は、人々の暮らしや価値観だけでなく、私たちの事業活動や企業の在り方にも影響を与えています。
当社を含むJTグループは、たばこ事業を中核に医薬・加工食品事業が補完することで成長を続けてきました。たばこ産業では加熱式たばこ市場が急成長し、たばこ葉を使用しない製品も登場しています。当社の事業構造も、海外事業が3分の2を超えるなど大きく変容しています。
そうした中で、変わらない価値観やお客様に受け入れられてきたものは何かを考えました。私たちは、ほっと一息をつく瞬間や仲間と笑い合う瞬間など、心豊かに感じる時間と共にあることで、そのような豊かさの演出に一役買ってきました。そんな思いを「心の豊かさを、もっと。」というパーパスに込めました。
パーパス策定まで長い時間をかけました。
廣渡 私がたばこ事業本部の事業企画室長を務めていた15年頃から、商品やサービスがどのような社会づくりに役立ってきたかを言葉で表現し、グループ全体の求心力にする必要性を感じていました。不確実性が高く複雑な社会の中で持続的に成長するには、改めて目指すべき方向を示す必要があると考えたのです。
パーパス策定のために編成したプロジェクトチームが、未来の社会像や大切にしてきた価値を言語化し、社内外のステークホルダー(利害関係者)との対話を重ねました。JTグループが社会にどのような価値を提供でき、なぜそれが可能なのか長い時間をかけて検討しました。
その結果、製品やサービスを通じて、心の豊かさを感じる瞬間と共にあり、共にその瞬間をつくり上げていくことが目指すべき価値領域だと考えたのです。
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