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Saturday, August 5, 2023

旅・いろいろ地球人:持続可能な文化財保存・活用を 変容する社会のなか ... - 毎日新聞

 <みんぱく発>

 博物館など文化財の保存や活用に携わる施設を取りまく社会状況は、ここ半世紀で大きく変化した。環境問題が文化財の保存を考えるうえで、避けて通れないものになったのである。とくに影響を与えたのがオゾン層保護と地球温暖化の問題である。

 オゾン層とは、地球の大気中の高度約10~50キロの成層圏をさす。オゾン層が太陽からの有害な紫外線を吸収することで地上の生態系を守っている。特定の化学物質がオゾン層を破壊することが指摘されており、日本で文化財の殺虫燻蒸(くんじょう)剤として広く使用されていた化学薬剤の生産と使用が2004年末に全廃となったのを受け、博物館における生物被害対策は、予防措置を重視する方向に大きく舵(かじ)を切った。

 総合的有害生物管理の考え方に基づき、身近なところから生物被害への意識を高める。展示場や収蔵庫を清潔に保ち、生物被害を受けにくくする。文化財への目配り、点検を怠らず、被害の早期発見につなげる。被害が発生した場合は、害虫の種類、被害の規模、文化財の材質、展示や保管の状況、さらには処理に要する時間や費用などを考慮し、処理方法を選択する。化学薬剤に頼らない処理方法としては、材質への適用範囲が広く大量処理…

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