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Wednesday, July 13, 2022

クッキーレス時代で成功するには、「見える化」と「持続可能性」が鍵 - Exchangewire Japan

コロナ禍で消費者のデジタルメディア消費、特に動画サービスの視聴時間が増加したことで、「デジタル広告の予算が増えた」、「ダイレクトレスポンス目的だけでなくブランディング目的で活用する機会も増えた」、というマーケティング担当者も多いでしょう。このように、今まで以上に活用が期待されるデジタル広告ですが、ここ数年のプライバシー規制強化に伴いサードパーティークッキーやモバイル広告IDなどのデジタル識別子が取得できないという大きな課題に直面しています。広告主のお客様と話をしていると、「ちゃんとターゲティングできているのか?」、「フリークエンシーキャップは正しく機能しているのか?」といった、今までは確認できていたことが不透明になってきていることに対する不安の声をよく伺います。このような状況下において、最も重要なことは、今何が起きているのか、広告キャンペーンの結果がどうなっているのかを正しく把握できるように、「見える化」することです。

プライバシー規制が厳しいiPhone利用者が多い日本においては、既に多くのデバイスやブラウザにおいて、デジタル識別子が利用できなくなってきています。そのため、ターゲティング精度が低下する、フリークエンシーキャップがかからずに過剰に広告が配信される人がでてくる、と言ったクッキーレスによる影響は既に起きています。若年女性をターゲットとして作成したクリエイティブが高齢の男性に多く配信されていては、期待している効果は得られないでしょう。また、過剰なフリークエンシーはブランド毀損につながるため、狙った効果が出ないだけでなく負の効果が出てしまうケースもあります。

このような広告配信上の課題に対して、ファーストパーティーデータの活用やコンテキストターゲティングなど、様々なソリューションが活用され始めています。このような新しい手法を積極的に活用していくことは、今後の選択肢を広げる上で重要であるといえます。しかし、例えば、限られたデータやメディアで配信した場合、狙っていたターゲットに対して広くリーチすることが難しくなるケースもあります。また、これまでと比べるとピンポイントに狙っているターゲット層ではなくなることで、ROIが低くなる可能性もあります。そのため、このような新しいソリューションを活用したキャンペーンの効果について、正しく測定を行い「見える化」した上で、PDCAサイクルを回していくことが、今後より一層重要になってきます。

ところで、キャンペーンの効果をみる際には、大きく3つのポイントに分けることができます。「正しく狙っていたターゲットにリーチしたか?」「狙っていたターゲットは広告を見て態度変容したか?」「結果的に実際の売上は向上したのか?」という3つのポイントです。この3つのポイントでの効果測定においても、これまでサードパーティークッキーなどのデジタル識別子を使うことで、実際に広告が配信された個人を特定した分析ができていました。しかし、効果測定においても、当然クッキーレスの影響は及んでいます。例えば、複数の識別子が同一人物であると判定できないと、リーチという視点では、フリークエンシーを正しく把握することができなくなります。また、態度変容を把握するためのアンケートデータや、売上などのリアクションを見るための購買データなどと、実際に広告が配信されたのか、されなかったのかというデータを紐づけられないケースが出てきています。

このような状況を受けて、効果測定ソリューションもまたクッキーレス時代への対応が求められてきています。例えば、リーチ計測という視点では、既存のサードパーティークッキーや広告ID以外のユニバーサルIDやメールアドレスなどの様々なID情報を活用し、過去の配信結果から機械学習モデルで予測するような最新技術を活用した手法も登場しています。また、態度変容や売上への貢献度の把握という点では、これまでマス広告でも活用されていた手法、例えば、プレポスト調査によるキャンペーン効果測定やマーケティング・ミックス・モデリング(MMM)などの計測タグを使用しない調査手法の価値が再注目されてきています。現在、クッキーレスという課題によって、様々な対応が求められている状況ですが、デジタル業界はこれまでも様々な変化が起きてきましたし、これからもまた新たな変化が起こることでしょう。そのため、今後も継続的に事業を成長させていくには、変化し続けるデジタルメディア環境に対して、常に正しい測定結果を出すことができる普遍的で「持続可能なソリューション」を選定していくことが重要であるといえます。

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