菓子市場におけるチョコレートは、7年連続№1の最大規模を誇る存在。20年のチョコレート市場を振り返ると、前年比2・8%減(5千470億円、全日本菓子協会調べ)とマイナス成長だった。実績割れは新型コロナウイルス感染拡大の影響によるインバウンド需要の喪失によるもの。この部分を除けば、家庭内需要の高まりにより3%増となるが、コロナ環境下では消費者の買い回りが変化した上、販売チャネル別でも明暗が分かれ、巣ごもり需要の影響では大袋商材が伸長した。
今シーズン(4~9月)は、家庭内需要の高止まりでほぼ前年並みに推移している。昨シーズン伸長した大袋は一服感があるが、昨年苦戦したパーソナルタイプはコンビニの販売が回復し元気を取り戻し始めた。最需要期の下期はここまで、気温が下がらず消費が鈍かったが、12月以降での天候要因がカギとなる。
今シーズン大手各社が掲げたキーワードは「健康」「ブランド強化」「おうち時間」だった。健康系チョコレート市場を牽引してきた明治は「チョコレート効果」「オリゴスマート」「TANPACT」が二ケタ増で推移。「チョコレート効果 カカオ95%大袋」も導入が順調で、「高カカオに対する嗜好の幅が広がっている」(同社)ととらえている。
ロッテは、4月に「カカオの恵み」を発売。江崎グリコは、睡眠の質を高める「メンタルバランスチョコレートGABAフォースリープ」の認知度拡大を図っている。
健康系は一見明治の独り勝ちにも見えるが、小売の棚も健康系チョコレートを品そろえた棚割りをするようになった。メーカー各社の商品を育成によりチョコレート市場を底支えするサブカテとなるだろう。
ブランド強化策では、ロッテは「ガーナ」「ラミー」「バッカス」ブランドの露出を高めるため冷菓での発売や、ガーナのプレミアムシリーズを5品上市し、「おうち時間のちょっとした贅沢」のニーズに応えた。
明治は「オリゴスマート」の3温度帯で展開中。森永製菓は「ダース」20周年を迎え大幅に刷新、Z世代の獲得強化でブランドの若返りを図っている。
今シーズンのトレンドでは、「ピスタチオフレーバー」「玩具菓子」の二つが目立つ。森永、ブルボン、フルタ製菓はそれぞれピスタチオフレーバーの商品を発売し売上増につなげている。バンダイ、フルタ製菓が得意とする「玩具菓子」は、「大人買い」をする消費者の購買意欲をくすぐり急成長を遂げている。キャラクターに左右されやすいカテゴリーだが、絶え間ない商品企画の提案によって、チョコレート市場を盛り上げてもらいたい。
からの記事と詳細 ( チョコレート トレンドは「ピスタチオ」「玩具」 人流戻りコンビニで伸びる小型品 - 食品新聞社 )
https://ift.tt/3lhi6xS
No comments:
Post a Comment