戦略的な経営資源の配分を行い、社会と共に持続的に成長するサステナビリティ経営を推進する。6つの重要社会課題に対するアクションプラン「中期目標」を設定し、挑戦を加速した。
住友商事は2021年5月7日、重要な発表を相次いで行った。まず、21年3月期の連結決算では最終損益が1530億円の赤字で、赤字額としては過去最大となったことを発表した。資源や自動車関連、鋼材などの業績低迷が主な要因だった。22年3月期の見通しでは2300億円の黒字を見込む。
2つ目は、これまでの気候変動問題に対する方針を見直し、石炭火力について今後は新規の発電事業と建設工事請負事業に取り組まないことを明らかにした。35年までにCO2排出量を19年比で60%以上削減し、40年代後半には石炭火力発電事業から撤退するとした。
3つ目は、「サステナビリティ経営の高度化」の一環として、20年6月に設定した6つの重要社会課題と長期目標に対して、具体的なアクションプランを示した「中期目標」の策定だ。
足元の業績を踏まえた新中計
厳しい業績の中でもサステナビリティ経営に取り組むのはなぜか。サステナビリティ推進部の山本威司氏は次のように話す。
「世界中が持続可能な社会の実現というテーマを抱えている。これを重く受け止める必要がある。持続可能な社会の実現のために当社は何ができるのかを、しっかりコミットしなければならない。社会が真に求めている価値を提供することができれば、社会と共に持続的に成長できる。長期的には、住友商事の成長と社会課題への取り組みが1つの軸で一致すると考えている」
足元の業績を踏まえた上で策定した新中期経営計画(21〜23年度)の中で、「サステナビリティ経営の高度化」を柱の1つに位置づけている。
5月7日には、その新中期経営計画を発表した。高い収益性と環境変化への耐性を兼ね備えた事業ポートフォリオへのシフトを実現することが狙いで、「SHIFT 2023」というタイトルを付けた。23年度の連結純利益は3000億円以上で、過去最高を目指す。
「サステナビリティ経営の高度化」では、取り組むべき6つの重要社会課題を挙げている。社会の持続可能性を実現するための「気候変動緩和」「循環経済」「人権尊重」と、社会の発展と進化を推し進めるための「地域社会・経済の発展」「生活水準の向上」「良質な教育」である。これら6つの課題と長期目標は20年6月に設定していたが、今回新たに中期目標を定めた。
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