地球の環境や人々の暮らしは持続可能なのか-。相次ぐ豪雨や夏の猛暑、大規模森林火災、今シーズンの暖冬に接し、気候変動に脅威を感じる人は少なくなかろう。さらに地球規模の人口爆発や、国際協調を阻む自国第一主義の台頭など、多くの課題が世界の未来に暗い影を落としている。
日本も気候変動や自然災害にさらされ、先例のない高齢化、著しい人口減少など特有の課題に直面。従来の暮らしや経済活動の見直しを迫られている。
そこで注目を集めているのが、世界が2030年までの達成を目指す「SDGs[エスディージーズ]=持続可能な開発目標」だ。国連が2015年に採択した「2030アジェンダ(行動計画)」に基づくが、提示されたのは、いずれも暮らしに直結した課題。持続社会実現へ、私たちも足元から一歩を踏み出したい。
行動計画の柱は、シンプルな言葉で表した「17の目標」。「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「働きがいも 経済成長も」など。環境保全を重視すれば企業経営を圧迫するといった対立構図から脱却し、経済、社会、環境の3要素のバランスを重視しながら達成を目指すとしている。
SDGsを巡っては、国内外の大手企業が主導し、サプライチェーン(部品の調達・供給網)の中小企業にも取り組みを求めるといった動きが出ている。SDGsに通じるESG(環境、社会、企業統治)に優れた企業の資金調達を優遇するESG投融資も拡充されるなど、ビジネスの枠組みにもSDGsが浸透しつつある。
県内では18年の小国町に続き、19年に熊本市が内閣府の「SDGs未来都市」に選定され、関連施策を進めている。SDGsに積極的な地場企業の登録・認証制度の創設も検討中だ。社会の課題解決を目指すNPOなどに市民や企業の寄付金をつないで支援する民間組織の発足や、SDGs推進に向けた行政や企業による連携協定の締結、意義を学べるカードゲームによる普及活動なども広がりを見せている。
さらに、熊本市など18市町村による熊本連携中枢都市圏は先日、「圏域の温室効果ガス排出を50年度までに実質ゼロにする」と取り決めた。
これは、従来の行動計画が可能な改善策を積み上げて目標を設定したのに対し、理想的な未来像や達成すべき目標を優先しその上で道筋を考えるバックキャスティングと呼ばれる手法。SDGs自体が、これを国際的に取り入れた史上初の試みといわれている。CO2削減に複数自治体が連携して取り組むのは全国初。「パートナーシップで目標を達成しよう」と掲げるSDGsにも通じるだけに、目標実現に期待したい。
熊本市が先日開いた推進フォーラムでは「地域の課題解決が世界につながっている」との思いが共有された。SDGsの基本理念「誰一人取り残さない」を尊重した地道な取り組みこそ、地球の持続可能性を高めるはずだ。
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February 09, 2020 at 03:00PM
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