2023年11月29日
◆発表のポイント
- ワクチン副反応として持続する症状の特徴について、後ろ向き観察研究を行いました。
- ワクチン副反応の症状としては感覚障害が最も多く、28.1%でした。
- 重篤な合併症を有する症例もあり、全身を包括的にみる体制が必要であることが確認されました。
岡山大学病院は2021年4月より、岡山県保健医療部保健医療課ワクチン対策室からの委託を受けて、新型コロナワクチン接種後の各種症状に対応する「ワクチン副反応外来」を設置しています。同外来を担当する岡山大学病院 総合内科・総合診療科の徳増一樹助教、岡山大学学術研究院医歯薬学域 総合内科学の大塚文男教授らのグループは、外来を設置した2021年4月から2023年3月までの期間にワクチン副反応外来を受診した患者を対象に、後方視的記述研究を行いました。
接種後5日以上持続する副反応の症状を訴えた受診患者121人について記述的解析を行ったところ、最も頻度の高かった症状は、感覚障害(34人、28.1%)、全身倦怠感(30人、24.8%)、発熱/微熱(21人、17.4%)、頭痛(21人、17.4%)でした。また比較的重篤な症状を6人に認めました。
ワクチン副反応の症状は多彩であり、全身症状を包括的にみる診療が重要であることが分かりました。本研究結果は、2023年10月30日付で国際学術雑誌「Vaccines」に掲載されました。
■論文情報
論 文 名:Characteristics of Persistent Symptoms Manifested after SARS-CoV-2 Vaccination: An Observational Retrospective Study in a Specialized Clinic for Vaccination-Related Adverse Events
掲 載 紙:Vaccines
著 者:Tokumasu K, Fujita-Yamashita M, Sunada N, Sakurada Y, Yamamoto K, Nakano Y, Matsuda Y, Otsuka Y, Hasegawa T, Hagiya H, Honda H, and Otsuka F.
D O I:https://doi.org/10.3390/vaccines11111661
U R L:Vaccines | Free Full-Text | Characteristics of Persistent Symptoms Manifested after SARS-CoV-2 Vaccination: An Observational Retrospective Study in a Specialized Clinic for Vaccination-Related Adverse Events (mdpi.com)
■研究資金
本研究は、岡山県保健医療部保健医療課ワクチン対策室の支援を受けて実施しました。
<詳しい研究内容について>
新型コロナワクチン接種後に発現した持続的な副反応の特徴を検討
<お問い合わせ>
岡山大学病院 総合内科・総合診療科
助教 徳増 一樹
岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)総合内科学
教授 大塚 文男
(電話番号)086-235-7342
からの記事と詳細 ( 新型コロナワクチン接種後に発現した持続的な副反応の特徴を検討 - 岡山大学 )
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