ウクライナ危機などの影響で化学肥料の価格が高騰する中、伊那市、箕輪町、南箕輪村でつくる伊那中央行政組合のし尿処理施設「伊那中央衛生センター」(同市)が製造販売する発酵「バチルエース」が注目を集めている。し尿を処理した後の汚泥を発酵させて作る肥料で、窒素、リンを多く含む。低価格の肥料として農家の負担軽減に寄与するとともに、化学肥料の使用量の低減にもつながることが期待され、積極的な利用を呼び掛けている。
同センターはバチルス菌と呼ばれる微生物を使ってし尿を汚泥と水に分解。バチルエースは処理で出た汚泥を脱水機で水分を取り除き、大型発酵機で約20日かけて発酵、熟成させて作る。
窒素、リンのほか、バチルス菌を豊富に含んでおり、タンパク質などの分解能力が高く、土壌改良、連作障害防止などに効果が期待できるという。バチルス菌の性質上、乾燥や長期保存でも効果が持続するとしている。
バチルエースはし尿処理の副産物である汚泥を農地へ還元することで環境負荷を減らすとともに、資源の有効活用を図る目的で1998年から販売を始めた。昨年度は3364袋を製造し、2464袋を販売した。1袋20キログラム入りで、価格は同組合の行政区域内の伊那市、箕輪町、南箕輪村が200円、このほかの地域は300円。同センターで購入できる。大量購入(20袋以上)の場合は早めに相談するよう求めている。
同センターは「昨今の世界的な穀物需要の増加やエネルギー価格の上昇に加え、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で化学肥料原料の国際価格が上昇し、肥料価格が急騰している」と指摘。「バチルエースはリーズナブルな価格設定になっている。積極的に利用してもらい、農家の負担軽減につながれば」と話している。
予約、問い合わせは同センター(電話0265・72・4751)へ。
からの記事と詳細 ( 汚泥発酵肥料に注目 環境負荷軽減も – Nagano Nippo Web - 長野日報 )
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