
オランダUtrecht大学医療センターのCeleste M. Boesjes氏らは、デュピルマブでアトピー性皮膚炎を治療している成人患者の症例シリーズ研究を行い、中央値4カ月の治療で皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)に似た可逆性のリンパ球反応が観察され、組織病理学的には菌状息肉腫(MF)とは異なり、治療中止でリンパ球反応が消失していたと報告した。結果は2023年10月18日のJAMA Dermatology誌電子版に掲載された。
皮膚T細胞リンパ腫の中で最も一般的なのは菌状息肉症だが、世界的な有病率は10万人当たり4.8~6.6人と報告されている。初期にはアトピー性皮膚炎と症状が似ているため、両者の区別は難しい。また、持続する慢性アトピー性皮膚炎患者では、特に重症患者において、皮膚T細胞リンパ腫発症リスクが増加していることが知られている。
デュピルマブは抗IL-4受容体αをブロックする抗体で、IL-4/IL-13シグナルを抑制することにより、中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者の症状を改善する。皮膚T細胞リンパ腫患者の腫瘍細胞にはIL-13とIL-13受容体が過剰発現していることから、デュピルマブが利益をもたらす可能性が考えられて、実際にオフラベルでの投与も行われたが、そうした患者の一部に菌状息肉腫の進行が見られている。また、デュピルマブの投与によってアトピー性皮膚炎と誤診されていた菌状息肉腫が顕在化したという報告もあった。
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