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Monday, October 16, 2023

NOK・佐藤祐樹常務「技術を突き詰め持続可能な社会へ」 - 日経BP

聞き手/河井 保博(日経BP 総合研究所主席研究員)

電気自動車(EV)や水素関連製品を開発・拡販し、新たな成長ドライバーを創出する。界面の分析・制御技術を活用して、オイルシールにとどまらず幅広い領域への進出を目指す。

「技術を突き詰めるNOKグループ」というメッセージを打ち出しています。

佐藤 祐樹(さとう・ゆうき)

佐藤 祐樹(さとう・ゆうき)

NOK 常務執行役員 CTO 兼 Head of NOK R&D湘南R&D センター長
1991年NOK入社。2010年技術本部技術研究部長、16年オイルシール事業部設計部長、20年執行役員技術本部長兼生産技術本部長、23年より現職(写真:NOK)

佐藤 祐樹 氏(以下、敬称略) NOKは1941年の創業以来、日本初のオイルシールメーカーとしてモータリゼーションの発展に貢献してきました。オイルシールとは、機械部品の潤滑油や水、ガスなどの漏れや異物の混入を防ぐ機能部品です。オイルシールをはじめとする当社の製品は、自動車や建設機械、農業機械、電子機器、事務機器、住設機器など社会の幅広い領域で使われています。

 多くの機械類に必要とされる要素部品ですが、設置される場所が機械内部の作動軸や隙間部分になります。もし期待通りに機能を発揮していない場合でも、その部品の使われ方や動作状況が外から直接には分かりません。当然、お客様からは多くの質問が寄せられます。それも、設計エンジニアなどからの高度な質問です。我々としては、なぜそうなっているのかを理論的に答えられるようにしておく必要があります。こうしたことから当社には、技術を科学的に解き明かそうとする文化・社風があるのです。

 こうした取り組みはこれまで外部に発信してきませんでしたが、NOKの技術を広く知ってもらい、活用してもらうために、積極的に発信していく方針に転換しました。

研究者の新陳代謝を重視

研究者にとっての目標はどのように設定されるのでしょうか。

佐藤 基礎研究的な活動とはいえ、研究テーマは全て開発テーマにひも付いています。ですから、研究活動の面からも開発の成果がKPI(重要業績評価指数)になります。

 NOKとしての研究活動のポイントの1つは、素材開発などの化学系と設計などの機械系の研究者とでチームを組ませることです。例えば電動自動車(EV)で使われる電池の耐熱性や難燃性を高める材料を作る場合は、必要な部分の分子構造を研究します。その際、研究者はそれに没頭して周囲に目が向かず、社会とのつながりが薄れがちになることがあります。

 ただ、最終的な目標は、あくまでも社会に役立つものを開発することです。そこで、機械系や開発系の研究者でチームを組ませます。専門領域が違えば、互いに勉強しなければなりません。こういう体制をとることで、自分だけでは目標を達成できないということを、常に認識できるようになります。

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