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Monday, August 21, 2023

【主張】上関町の調査同意 原発の持続に貯蔵施設を - 産経ニュース

原子力発電所の使用済み燃料を保管する中間貯蔵施設が、瀬戸内海に面した山口県上関(かみのせき)町に建設される見通しが開けてきた。

中国電力と関西電力が共同開発を目指す事業である。18日に上関町議会への報告を経た上で、西哲夫町長が建設のための地質調査への同意を表明した。

国の原子力利用の基本である核燃料サイクルが未確立の現状において、中間貯蔵施設の持つ意味は非常に大きい。

エネルギーの安定供給と脱炭素社会の実現に欠かせない原子力発電を持続可能にするためには不可欠の施設なのだ。

発電を終えたウラン燃料は、原子炉から取り出して原発建屋内の使用済み燃料プールに移される。燃料の高い余熱を取り去るためだ。

核燃料サイクル計画では、冷却を終えた燃料は青森県六ケ所村の再処理工場に移送され、燃え残りのウランとプルトニウムを回収して新燃料として再利用することになっている。

しかし、再処理工場の完成が予定より大幅に遅れているために、各原発で生じた使用済み燃料は増え続け、貯蔵プールの収容能力の上限に近づきつつある状態だ。プールが満杯になれば原発の運転はできなくなる。

中間貯蔵施設は、貯蔵プールと再処理工場の間をつなぐ、大量保管能力を持つので、原発再稼働の促進に当たっても必要である。

中間貯蔵施設に保管される使用済み燃料は、プールで熱量を落としたもので、キャスクという頑丈な金属製の専用容器に収納され、空気の自然対流を利用した空冷方式で管理される。放射線の遮蔽能力など安全性は極めて高い。

増え続ける使用済み燃料の問題について、当面の打開策を国は「エネルギー基本計画」の中で提示している。電力事業者間の連携強化を促しているので、中国電力と関西電力による上関町での計画も、その流れに沿ったものと位置付けられよう。

基本計画には、立地自治体の意向も踏まえながら国も前面に立って主体的に対応する、と記されている。ぜひ、そうしてもらいたい。

中間貯蔵施設は必要だ。しかし、再処理工場の完成は一層重要だ。岸田文雄政権に、その再認識を求めたい。

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