総務省が住民基本台帳に基づく今年1月1日時点の人口を発表した。日本人の人口は1億2242万人で、前年より80万人減った。
死亡数は156万人と過去最多だった。高齢化に加え、新型コロナの影響もあったようだ。
道内はとりわけ深刻だ。509万人と前年より5万人減り、500万人割れが迫る。減少数は11年連続で全国最多だ。
国立社会保障・人口問題研究所は2040年の道内人口は428万人になると推計する。道は仮に出生率が上昇すれば450万~460万人としている。
人口が減ると生産や消費は減退し産業基盤は脆弱(ぜいじゃく)になる。税収減から行政サービスは低下する。
少子化対策は必要だが一朝一夕に効果は上がらない。人口減少を前提とした持続可能な地域づくりを急ぎたい。
各自治体は子育て世代の移住受け入れに力を入れている。しかしパイを奪い合うばかりでは、全体の底上げにはならない。
肝心なのは、人口減を補う協力である。
総務省は、中心となる市と近隣の市町村が連携して、生活機能を補完し合う「定住自立圏構想」を推進する。道内も各地に圏域が形成され、医療や福祉、公共交通などの分野で事業が行われている。
取り組みを深め、協力分野を広げていきたい。
行政の省力化を巡っては、官民の施設を集約するコンパクト化の進展や、デジタルや人工知能(AI)の活用も予想される。
長年住み慣れた地に愛着を持ち、デジタルが不得手な高齢者も少なくない。そうした人たちに十分配慮し、誰もが暮らしやすい社会を目指す責任が行政にはある。
鈴木直道知事は先の定例道議会で、道の政策の基本方向を示す10年ごとの総合計画について、来年夏をめどに改訂を前倒しする方針を明らかにした。
人口減少にどう向き合うのか、道は明確なビジョンを示し、市町村との連携を強めるべきだ。
住民登録している外国人は過去最多となり300万人に近づいている。単なる労働力と見るのではなく、地域や職場の仲間、生活者として受け入れ、協力してまちづくりを進める視点が欠かせない。
大事なのは、外国人が働きやすい制度や環境を整えることだ。
日本語教育の充実はもとより、有期の在留資格を見直し、家族を帯同して無期雇用で働ける制度を広げる必要がある。
からの記事と詳細 ( <社説>人口減少加速 持続する地域づくりを:北海道新聞デジタル - 北海道新聞 )
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