村田製作所と帝人フロンティアの共同出資によるピエクレックス社は、微弱な電気を発生させて、抗菌効果を発揮する「ピエクレックス タオル」を、7月28日に発売した。ハンドタオルとフェイスタオルの2種類をラインアップし、価格はそれぞれ880円、1,870円。
村田製作所の圧電技術「でんき」と帝人フロンティアの合成繊維技術「せんい」が融合して生まれた新素材である、「電気の繊維」ピエクレックスを使用した製品。ピエクレックスは人の動きによる繊維の伸縮で微弱な電気が発生し、抗菌効果を発揮するという。
ピエクレックスの原料は植物由来の「ポリ乳酸」で、電気発生による抗菌効果はポリ乳酸が有する「圧電性」によるもの。臭いの元となる菌に対しても有効という。圧電性とは、物質にチカラが加わると、歪や伸縮に応じて電圧が生じる性質のことで、代表的な圧電材料である水晶や特定のセラミックスは、様々な電子部品に応用されている。
ピエクレックス社は、植物由来の有機材料であるポリ乳酸の圧電性に着目し、村田製作所の圧電技術と帝人フロンティアの合成繊維技術を融合により、「電気の繊維」ピエクレックスを開発。これを応用したピエクレックス タオルの商品化に成功した。
抗菌剤を塗布することなく繊維自体が抗菌性を発揮するため、洗濯を繰り返しても効果が持続するという。
ポリ乳酸は、トウモロコシやサトウキビなどでできた植物由来のバイオプラスチックで、微生物によって分解される生分解性を有しているため、焼却することなく自然循環が可能。また、ピエクレックスの製造から廃棄までのプロセスにおけるCO2の排出量は、石油由来の繊維に比べて約20%低減されることが第三者機関の効果検証で明らかになっていることから、「カーボンニュートラルに貢献する繊維製品」としている。
タオルの使い心地にもこだわり、日本のタオル発祥の地とされる「泉州(大阪)」で伝統の製法を受け継ぐ成願に協力を依頼して開発。開発当初は、従来のタオルの糸をそのままピエクレックスに置き換えるだけでは十分な電気が発生せず、抗菌効果が得られなかったものの、村田製作所と帝人フロンティアの技術とノウハウを持ち寄り、繊維の伸縮による抗菌効果の実証実験を重ねて糸の撚り方や織り方を追究。十分な電気が発生する設計を確立した。
サイズは、ハンドタオルが22×22cm、フェイスタオルが80×34cm。カラーはともにグレー、ネイビーの2色。組成は綿87%、ポリ乳酸(PIECLEX)13%。
パッケージには、持続可能な森林由来のパルプを原料としたサステナブル素材「PAPTIC」を使用。パッケージのシール部分はFSC認証を受けた素材を採用し、インクはバイオマスインクを使用している。
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