豪州National Center for Healthy AgingのChris Moran氏らは、米国Kaiser Permanente Northern Californiaに加入している2型糖尿病患者コホートを追跡して、血糖コントロールの状態と認知症発症リスクについて検討し、HbA1cが9%以上の状態が持続すると認知症を発症するリスクが有意に高くなると報告した。結果は2023年4月17日のJAMA Neurology誌電子版に掲載された。
2型糖尿病は認知症のリスク増加との関連が報告されているが、認知症予防に最適な血糖値の範囲は明らかではなかった。そこで著者らは、幅広い人種の2型糖尿病患者を長期追跡して認知症リスクを調べ、好ましい血糖コントロールの範囲を検討した。
この研究では、米国の大規模な健康保険システムで、400万人以上が加入しているKaiser Permanente Northern California(KPNC)のデータを利用した。対象は、1996年1月1日から2015年9月30日に2型糖尿病と診断されていた年齢50歳以上のKPNC加入者。期間中にHbA1cの測定回数が2回未満だった患者、追跡期間が3年未満の患者は除外した。患者の追跡は、認知症の診断、Kaiser Permanenteから脱退した状態が90日以上持続、患者死亡、観察終了日のいずれかまで継続した。
患者は、HbA1cの測定値に基づいて以下のグループに分類した。6%未満、6~7%未満、7~8%未満、8~9%未満、9~10%未満、10%以上。検査回数が増え、新たな測定値が追加されるごとに、血糖値の累積状態を再計算した。
主要評価項目は、認知症の診断とした。共変数として年齢、人種と民族、ベースラインの健康状態(末梢動脈疾患、糖尿病腎症、網膜症、神経症、脳卒中、心筋梗塞、重度の低血糖または高血糖イベント)HbA1c測定回数などを調べた。Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、時間依存性の累積血糖曝露と認知症の関係を推定した。
からの記事と詳細 ( HbA1c9%以上の持続で認知症発症リスクが増加 - 日経メディカル )
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