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Sunday, March 5, 2023

コロナ陰性でも少なくない“後遺症” 社会不安が関係? - 日経Gooday

 新型コロナウイルス感染症を発症した後に経験するさまざまな心身の不調は「コロナ後遺症」と呼ばれます。しかし、検査でコロナ陰性だった人でも体調不良が持続するケースが少なくないことが、米国の研究(*1)で明らかになりました。コロナに似た症状を発症してから3カ月後にも「中等度から重度の体調不良が持続している」と報告した患者の割合は、コロナ陽性患者の39.6%、陰性患者の53.5%に上りました。

コロナ陰性でも後遺症のような症状を経験する人は少なくないようです。(写真=PIXTA)

コロナ陰性でも後遺症のような症状を経験する人は少なくないようです。(写真=PIXTA)

陽性者と陰性者1000人の症状を追跡

 新型コロナウイルス感染症にかかると、約半数が後遺症を経験するとも報告されています。後遺症の症状は多岐にわたり、疲労感、認知機能障害をはじめ、あらゆる臓器系の不調が申告されています。コロナ後遺症はその後の健康状態に影響を及ぼす可能性があるため、正確かつ詳細な情報が必要です。しかしこれまでのところ、生活の質への影響を分析していた研究はほとんどありませんでした。

 また、パンデミックが引き起こした社会的孤立や仕事の中断といった生活環境の変化は、コロナに感染していない人の健康状態にも悪影響を及ぼしている可能性があります。したがって、新型コロナウイルス感染症の後遺症について評価するためには、適切な対照群が必要です。しかし、これまでに報告されたコロナ後遺症についての研究の多くは、コロナに感染した人のみを追跡して、現れた症状を分析しており、陰性判定を受けた人たちと比較した研究はほとんどありませんでした。

 そこで今回、米California大学Los Angeles校のLauren E. Wisk氏らは、同じ時期に新型コロナウイルス感染症が疑われる症状を自覚し、検査を受けて陽性と判定された人と陰性と判定された人を追跡して、3カ月後の症状の有無や程度、追跡期間中の症状の変化の度合いを比較しました。

 対象としたのは、米国の8大学で現在も進行中のINSPIRE(Innovative Support for Patients With SARS-CoV-2 Infections Registry)研究に参加した人々です。2020年12月11日から2021年9月10日までの期間にこの研究に参加した、18歳以上で、新型コロナウイルス感染症が疑われる急性症状があり、米食品医薬品局(FDA)の承認を得ている検査を受けてから42日以内の患者を抽出。それらの中から、検査結果が陽性だった人が3、陰性だった人が1の割合になるように分析対象者を選びました。

 研究に参加した時点で残存する症状に関する評価を受けており、3カ月後の追跡調査を完了していた1000人を、最終的な分析対象者としました。分析に影響を与える可能性のある要因として、年齢や性別、人種や民族、学歴、パンデミック前の世帯収入、加入している健康保険のタイプ、パンデミック前の雇用状況と職種(エッセンシャルワーカーまたは医療従事者か否か)、持病(併存疾患)、新型コロナウイルス感染検査を受けた場所、経験した症状などに関する情報も収集しました。

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