Pages

Monday, March 6, 2023

日本調剤・三津原庸介社長「医療の最前線で社会課題に向き合う」 - 日経BP

聞き手/藤井 省吾(日経BP 総合研究所主席研究員)

2022年からサステナビリティ経営を本格化し、着実に取り組みを進めている。医療を主軸とした事業アプローチにより、社会の持続可能性を追求する。

2021年12月に、特定した21のマテリアリティ(重要課題)とそのプロセスを公表し、本格的にサステナビリティ経営を進めてきました。

三津原 庸介(みつはら・ようすけ)

三津原 庸介(みつはら・ようすけ)

日本調剤 代表取締役社長
1999年日本調剤入社後、経営企画部長、営業推進部長を歴任。東京証券取引所市場第一部上場の責任者として管理体制を整備・構築した。その後、事業全般、M&A(合併・買収)、広報、薬剤師採用、電子お薬手帳、新規事業の責任者として従事、2014年同社取締役に就任。常務取締役・専務取締役を経て、19年より現職(写真:吉澤 咲子)

三津原 庸介 氏(以下、敬称略) 当社は全国に展開する調剤薬局事業を中心に、ジェネリックを主とした医薬品製造販売、在宅医療に関する取り組み、医療従事者派遣紹介、医薬コンサルティングなど、ヘルスケアをテーマに事業を広げてきました。当社のミッションを徹底的に考え、様々な社会課題に挑戦してきた結果だと考えています。

 時代と共に薬局や薬剤師の果たすべき社会的な役割も拡大しています。そうした中、日本調剤グループが一体となり、より持続可能な社会への貢献と企業価値を高める取り組みを加速するため、マテリアリティを特定しました。それ以来、マテリアリティに沿って考え、行動することで、サステナビリティ経営を浸透・実践することに努めています。その一環として実行したのが、社内外への情報開示です。

実際に開示した事項について教えてください。

三津原 当社の存在意義をあらためて定義し、22年4月に「すべての人の『生きる』に向き合う」をグループ理念(私たちの使命)として掲げました。この使命をまっとうするため、サステナビリティを巡る課題への対応が経営の重要事項と考え、「倫理行動指針」「人権方針」「環境方針」「調達基本方針・サプライヤー行動規範」の4つの方針を策定し、発表しました。これらの方針に基づき、企業活動を進めていくことで、強固な経営基盤の構築とサステナブルな社会の実現を目指します。

 ステークホルダーに対し、当社のESGにおけるサステナビリティ情報を一元的に開示することを目的に、「Sustainability Data Book」を公開しました。この中で、マテリアリティごとのKPI(重要業績評価指標)も明示しています。

 サステナビリティ経営では気候変動への対応も重視し、22年6月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言に賛同しました。TCFD提言が推奨する4つの項目「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について内容を決定し、CO₂排出量削減目標も含めて情報を開示しています。

地域の持続可能性を高める

サステナビリティ経営を進める中で、手応えを感じていることはありますか。

三津原 大きく2つの気付きを得ました。1つは、サステナビリティ経営が生み出す成果は、地域の生活基盤の持続可能性を高めることに直結するということです。その一例が、脱炭素社会への貢献です。当社では50年のカーボンニュートラル達成を見据え、30年までに調剤薬局事業では1店舗当たりのCO₂排出量を20年度比で30%減、医薬品製造販売事業においては、生産錠数1億錠当たりのCO₂排出量を20年度比で30%減という目標を掲げています。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 日本調剤・三津原庸介社長「医療の最前線で社会課題に向き合う」 - 日経BP )
https://ift.tt/admCTOY

No comments:

Post a Comment