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Monday, September 26, 2022

TE Connectivity、先進的なソリューションで持続可能な未来を創り出す - EE Times Japan

One Connected World戦略で、サステナビリティに配慮する事業活動を推進

 コネクティビティとセンサ分野におけるグローバル企業であるTE Connectivity(日本法人:タイコエレクトロニクスジャパン合同会社、以下TE)は、インダストリアル・テクノロジーリーダーとして、「より安全で持続可能な社会の実現、より豊かな、つながる未来の創造」をパーパス(存在意義)として掲げる。先進的なソリューションを提供していくことで、持続可能な未来の実現に貢献していく。

 TEが提供する「コネクティビティとセンシングのトータルソリューション」は、過酷な環境で用いられる自動車や産業機器、エネルギー分野から、医療機器、データコミュニケーション、スマートホームに至るまで、幅広い分野で数多く採用され、さまざまな産業の発展に貢献する。2021年会計年度(9月期)におけるTEの売上高は149億米ドルである。1年間にTEが生産する全製品の点数は、実に2470億個にも及ぶという。

 TEは、パーパスを具現化するためのロードマップを示している。それは、「One Connected World」と呼ぶ長期的な持続可能性および企業責任に関する戦略である。サステナビリティに配慮する事業活動を推進するため、2030年までに、環境、社会、ガバナンスに関連する9つの目標を掲げている。

One Connected Worldのイメージ

 これらグローバルな取り組みの内容については、「企業責任レポート」で詳細に報告されている。2022年6月に発表された、2021会計年度の企業責任レポートによれば、例えば過去1年間で、温室効果ガス排出量の絶対量を30%削減することに成功している。電力使用量については、その37%を再生可能エネルギーなどゼロエミッションのエネルギー源から調達したという。

電動化、FA、再生可能エネルギーなど、トータルソリューションを提供

 TEは、持続可能な社会の実現に向けて、乗用車や商用車の「電動化(Eモビリティ)」、日本企業が強みを持つ「FA」、5G(第5世代移動通信)を含むワイヤレス関連の「データ・コネクティビティ」、日本市場でもこれから需要拡大が期待される「クラウド・データセンター」そして、風力発電(蓄電装置含む)などの「再生可能エネルギー」などの領域でトータルソリューションを提供している。

 TEは、市場の変化を先取りし、これまで蓄積してきた多くの知的財産や専門知識を持つ人材を積極的に投入していく方針である。特に、設計段階から顧客の要求を直接聴き、顧客と一緒に課題を1つ1つ解決しながら、製品/システムを作り上げていく。これが「TE流」のアプローチである。中でも自動車やFAの領域については、これらの取り組みを一層強化していく計画である。

マーケティング統括部長 櫛引健雄氏

 「私たちはお客さまと共に、革新的なテクノロジーとソリューションを創出することで、より持続可能な世界を創造しています。TEの専門知識とグローバルリソースを活用し、お客さまへより小さく、より軽く、よりエネルギー効率の高い製品を提供することで、環境負荷低減とよりクリーンな社会の実現に貢献していきます」(マーケティング統括部長 櫛引健雄氏)と話す。

 TEが供給する主な車載用製品群は、「コネクタ」や「センサ」「リレー」「熱収縮チューブ」「アンテナ」などである。特にEV/HEV向けは、充電装置から車載バッテリー、モーター駆動部分など、さまざまな用途にTE製の堅牢な電子部品が用いられている。

 具体的には、「高電圧コネクタ」をはじめ、高速通信/V2X(Vehicle to everything)向けの「コネクタ」や「アンテナ」、将来の自動運転を支える「センサ」などを提供している。このため、「EV/HEVの普及率が高まるほど、TE製品の搭載数は増えることになります」(櫛引氏)という。

 センサ関連では、顧客のニーズに応えるため、企業買収などによってセンサ事業の拡大を進め、さまざまな用途向けの製品をそろえてきた。こうした中で最近注力しているのは、電動化の普及で高まるモーターやバッテリーの動作をモニタリングする各種センサや、完全自動運転に向けた高精度なセンサソリューションである。また、トラックや農機具などのエンジンオイルの状態を検知するためのセンサにも期待している。

 日本発の高品質な先端電子部品を、日本の自動車メーカーなどに提供していく開発生産拠点と位置付ける。掛川工場では、「モノづくりの匠」や「すり合わせの匠」に関する度合も高まったという。多くの顧客から、「カスタム品に強い会社」と認知されてきたが、掛川工場で行った生産プロセスの革新活動などにより、さらに高い評価を受けることになった。

先進的なセンシングソリューションで、安全性の向上に貢献

安全トルクセンサ

 今日、スマート工場の発展によるモノづくりの自動化の新たな波が押し寄せている。人間とロボットはより密接に連携することで、より安全で信頼性の高いロボットシステムのさらなる強化が必要であり、TEはFA関連の製品で新たに力を入れているのが、協働ロボットの安全性能を改善する「安全トルクセンサ」である。リング型安全トルクセンサは、協働ロボットの各ジョイント部に組み込んで使用される。

 人とロボットが協力して作業を行うとき、作業員とロボットアームが接触した時などに生じるトルクの変化を検出し、異常があればロボットの動作を停止させて、作業時の事故などを防ぐことに役立つ。TEのトルクセンサは応答時間が極めて速く、高い精度で動作するのが特長である。

オイル品質センサ

 また、OPS3 マルチパラメータ式オイル特性センサの開発により、産業・商業輸送機器のエンジンオイルや油圧オイルをモニタリングし、適正交換時期や、過度使用による故障を未然に防ぐことで持続性・安全性の向上が期待できる。建設・農業機器等のオフロード車や商用車から産業機械やコンプレッサまで、さまざまなアプリケーションにおけるオイル状態の監視が可能となる。

再生可能エネルギー、施工や保守メンテナンスのコストも低減

 TEが注力する領域の中で、世界が最も注目しているのが、太陽光発電や風力発電といった「再生可能エネルギー」の分野ではないだろうか。TEが提供するソリューションは、電力網の接続性や安全性の向上はもとより、施工コストや保守メンテナンスコストの低減にも配慮している。また、材料科学に基づき開発した、堅固で信頼性のある製品を提供できるのもTEの強みとなっている。

 例えば、洋上風力タービンに高電圧開閉器用接続材を施工する場合、従来は複数の作業者が必要であった。これに対し、TEは新たな構造の接続材にすることで、1人の作業者で対応できるようにした。この結果、作業の負荷やコストを大幅に軽減できるという。

テーマは「Engineering a Sustainable Future」

 TEは、2022年10月18日(火)〜21日(金)の会期で開催される展示会「CEATEC 2022」(会場:幕張メッセ)の「トータルソリューションエリア」(ホール7 ブース番号:T042)に出展する。今回のテーマは「Engineering a Sustainable Future(持続可能な未来を創り出す)」とした。

 会場では、革新的なトータルソリューションや最新のテクノロジーを紹介する。恒例のTEオリジナル「ハローキティぬいぐるみ」も用意している。

多様性に富む職場

 TEには、「社員の多様性を育む」環境が整っている。「社員の誰もが活躍でき、(過去の慣習にとらわれない)斬新な意見を出しやすい職場環境となっています」(櫛引氏)と話す。

 ダイバーシティーを育む方法の1つである「ERGs(Employee Resource Group)」にも積極的に取り組んでいる。「世界で8万人以上の従業員が働いており、その中で現在は約6000人が何らかのERGsに参加しています」(櫛引氏)という。企業側としては、「ERGsのリーダーとして活動してもらうことを希望しています。これがリーダーシップの育成にもつながるからです。さまざまな人と交流を図ることで、自分自身の世界観を広げることになります」

 TEジャパンは、「働き方改革」にも積極的に取り組んできた。リモートワークをはじめ、「スマートワーク プロジェクト」を導入することで、従業員一人一人が、自身の能力を最大限に発揮し、生き生きと働くことができる職場環境を提供する会社を目指す。

 以上のように、「One Connected World」戦略に基づく一連の活動が成果に結び付くことで、企業のステータスを1つ高いレベルに押し上げている。今後も、より一層持続可能な未来の実現に貢献しにいく。

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