急速に進んだ円安を受けて政府・日銀は22日、24年ぶりにドルを売って円を買う市場介入に踏み切りました。当局は、一方的な円安に歯止めをかけるためさらなる介入も辞さない構えですが、介入による効果が持続するかは不透明な状況です。
22日の東京外国為替市場では、一時、1ドル=145円台後半まで円安が進み、政府・日銀は、1998年6月以来、24年3か月ぶりにドルを売って円を買う市場介入に踏み切りました。
介入の効果もあって円相場は22日、一時、1ドル=140円台前半まで、5円以上、円高方向に動きました。
為替政策を担当する神田財務官は22日の記者会見で、「手の内をさらすようなことは言わない」としながらも、「今後も必要によってはやる」と述べ、この先も為替市場が大きく変動することがあれば、さらなる介入も辞さない構えを見せました。
ただ、市場介入に必要な国の外貨準備にはかぎりがあるため、際限なく介入を行えるわけではありません。
さらに、アメリカの金融当局が大幅な利上げを続けるのに対して日銀の黒田総裁は、大規模な金融緩和策を維持する方針で、22日の記者会見でも「当面、金利を引き上げることはない」と明言しています。
日米の金利差は今後も拡大するという見方からドルが買われ、円が売られやすい構図が続くため、政府・日銀による市場介入の効果がどこまで持続するかは不透明な状況です。
米財務省 「円相場の変動を抑える目的と理解」
記録的なインフレが続くアメリカにとっては日本政府・日銀の介入によって円高ドル安方向に動けば、輸入物価の上昇を通じてさらなる物価高につながるおそれがあるため介入への理解は得られないという見方も出ていましたが、今回はアメリカが事実上、容認した形です。
鈴木財務大臣は22日に「関係各国とは常日ごろ、連絡を取り合っている」と述べ事前にアメリカなどとすりあわせを行ったことを示唆していました。
一方、鈴木財務大臣は、単独での介入かどうか明言は避けていましたが、アメリカの財務省は今回の介入には関わっていないとして日米の協調介入でないことを明らかにしました。
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