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Wednesday, February 26, 2020

ブッキング・ドットコム、持続可能な旅行と観光の選択肢を模索するサステイナビリティに関する新たなフレームワークの開発を発表 - 観光経済新聞

 ブッキング・ドットコムなどは21日、持続可能な旅行と観光の選択肢を模索するサステイナビリティに関する新たなフレームワークの開発を発表した。

イギリス、ロンドン – 2020年2月21日 – 
英国サセックス公爵殿下(ヘンリー王子)ならびに業界をリードするBooking.com(ブッキング・ドットコム)、Skyscanner、Tripadvisor、Trip.com、Visaが共同で発足したグローバル・パートナーシップ「Travalyst」パートナーシップは本日、サステナビリティの実現に向けた取り組みを評価するフレームワークの策定を開始したことを発表しました。

本フレームワークは、旅行業界全体のサステイナビリティに関する活動を点数評価するため、チャネルを超えた指針として活用できるよう構想を進めています。初期段階として、既存の基準を元に「宿泊施設」や「航空」、「体験サービス(旅ナカ)」の3つのフレームワークの開発が進められており、消費者側とビジネス側の双方にとってこれらのフレームワークを理解しやすくしつつ、可能な限り多くの旅行サービス事業において実施することで、実施可能範囲をさらに拡大しやすくするという目標が掲げられています。

最終的に、これらのフレームワークは旅行予約を行えるすべてのプラットフォームのユーザーに認知される、点数評価システムの基盤として機能することとなります。目標としては、サステイナビリティに関する大きな取り組みを既に行っている旅行サービス事業者に注目することに加え、現地のコミュニティや野生動物に対して環境に優しく悪影響が少ない、よりサステイナブルな旅行の選択肢を人々が理解し見分けやすくし、メリットが大きい選択肢を評価することが挙げられます。また、これらのフレームワークを実施することにより、既に行っている働きかけやフィードバック、改善を通じて業界全体での採用をさらに促進していきます。Travalystパートナーシップによるこれらの取り組みや今後のすべての活動は、新たに任命された業界やサステイナビリティの一流の専門家からなる独立諮問団体の戦略的な助言を参考に実施されます。構想中のフレームワークは、月末にスコットランドで開催される業界円卓会議やワークショップで提示されます。

旅行業界全体を対象にした、サステイナビリティに関する拡張可能なフレームワーク

既に特定の地域や旅行関連サービスで展開している、数多くの卓越した基準や取り組み、フレームワークを元に構築されたのがTravalystです。その狙いは、これらの既存のモデルを組み合わせ、業界内のすべての旅行サービス事業者間で普遍的なシステムを構築し展開することにあります。ブッキング・ドットコムが主導する宿泊施設のサステイナビリティに関するフレームワークの開発は、特に大きな影響のあるサステイナビリティ活動の評価方法を模索することを意味します。サステイナビリティに関する活動例として、廃棄物や水の管理、エネルギーの保存や調達、加えて地元のコミュニティや環境に影響を及ぼす活動などが挙げられ、これらの活動に関し、従来のホテルだけでなくすべての種類の宿泊施設に適用できる評価方法を開発していきます。同時に、現在開発中の宿泊施設用のフレームワークでは、既に存在する宿泊施設の認証などの優れたコンセプトを、構想中の新たなシステムにおける高い評価を結果的に保証する指針および高品質を示す確立された基準として評価・認知することとなります。

ブッキング・ドットコムの会長、ギリアン・タンズは以下のように述べています。

「ブッキング・ドットコムの調査により、宿泊施設パートナーの82%はサステイナビリティに関してブッキング・ドットコムとの協力に興味を示しており、旅行の際にサステイナブルな宿泊施設を検討することが大切だと感じる世界の旅行者は、全体の87%に上ることが明らかとなっています。しかし、このように双方が大きな関心を寄せているにもかかわらず、消費者の大半は何から始めれば良いかまだ分からないというのが現状です。また、70%は自身が環境に優しい宿泊施設を予約する可能性は高いだろうと回答したものの、72%はエコラベルの存在を知らないと答えています。この状況は、Travalystのパートナーであるブッキング・ドットコムにとって、より幅広い宿泊施設が自らのサステイナビリティへの取り組みをアピールし、かつ旅行者がサステイナブルな宿泊施設を見つけ、最終的に予約しやすくする手助けを行うための大きなチャンスであると言えるでしょう」

Skyscannerが開発中の、航空のサステイナビリティについてのフレームワークでは、各フライトの二酸化炭素排出量に関する透明性を高めつつ、各々の航空会社が行っている全体的なサステイナビリティの取り組みを強調する方法を模索することに焦点が当てられています。また、巨大テーマパークから個々のツアー会社まで非常に多様性に富んでいる体験サービスの分野においては、サステイナビリティの基準とその比重を多様性に合わせて調整し、評価と最終的な点数付けのための一貫性のあるフレームワークを提供することが、Tripadvisorとの目標となっています。

「宿泊施設」「航空」「体験サービス」に関するこれらの3つのフレームワークは、今後主要な関係者からのフィードバックを受けるために会議を実施するなど、業界による検証の第一段階を経ることとなります。また、完成前の段階の点数評価システムを発足パートナーのプラットフォーム上で今年提示する方法を検証すべく、データの集積や旅行サービス企業との認証などを含む試験目的の活動が今後開始されていきます。

新たな独立諮問委員会

Travalystの取り組みや活動の幅広い採用と、成功に不可欠である独立した批判的な分析を提供すべく、発足パートナーはパートナーシップの活動を査定し、導くための諮問委員会を設立しました。旅行、テクノロジー、学術、サステイナビリティの分野における専門家などで構成された諮問委員会は Forum for the Future(https://www.forumforthefuture.org/)が指揮することとなり、委員長として同委員会の最高責任者および大英帝国勲章4等勲爵士であるサリー・ウレン博士を迎えました。

Travalystの諮問委員会の現在のメンバーは以下の通りです。
● IUCN World Commission on Protected Areas(WCPA)Tourism and Protected Areas Specialist(TAPAS)Group責任者、Spenceley Tourism and Conservation in Africa(STAND)発足者およびGlobal Sustainable Tourism Council(GSTC)役員、アナ・スペンスリー博士
● Intrepid Travel共同創業者およびIntrepid Group会長、ダレル・ウェイド氏
● Harbour Air Group創業者兼最高経営責任者、グレッグ・マクドゥガル氏
● Travindy共同創業者およびTourism Declares a Climate Emergency共同設立者、ジェレミー・スミス氏
● Good Hotel Group創業者兼最高経営責任者、マーテン・ドレセン氏
● サリー大学サステイナビリティ・マーケティング博士およびTravindyのImpact部門代表、シャビエル・フォント博士

諮問委員会は、Travalystのパートナーが推し進める全イニシアチブについて独立した戦略的ガイダンスを提供し、最終的な成果が業界全体に拡張可能かつ複製可能となるよう努め、旅行と観光の分野におけるアンバサダーとして良い変化を奨励していきます。

Forum for the Future最高責任者およびTravalyst独立諮問委員会の委員長であり、大英帝国勲章4等勲爵士の称号を持つサリー・ウレン博士は次のように述べています。
「Travalyst諮問委員会とこのイニシアチブのパートナーと共同し、Travalystで旅行と観光業界の未来を変革するという目標を達成する手助けができることを嬉しく思います。社会経済的な発展を促しつつ気候変動に対処できる機会を得ている訳ですが、これは現在のシステムを大きく変えることが唯一の方法であることを意味していると言えるでしょう。Travalystは大きな目標を掲げており、プロジェクトによって人々と地球の双方への利益となる変革を維持し、達成できるよう、独立諮問委員会が支えていく所存です。」

現在進行中の、業界と旅行先との共同の取り組み

戦略的に重要な旅行先における主要な関係者からフィードバックや具体的なアイデアを得るべく、Travalystの活動を業界関係者に広く周知する取り組みの一環として、TravalystのパートナーはVisitScotland(スコットランド観光局)と共に2月26日にエディンバラ国際会議場でサミットを開催します。本サミットでは、旅行業と観光業における主な関係者をスコットランド各地から招き、数々のワークショップやディスカッションを通じ、サステイナビリティに関する課題や伸びしろのある部分を検討。方針やこれまで発展させてきたフレームワークに関する重要なフィードバックを集めつつ、スコットランドで実施される今後の共同の取り組みに向けて試験用のプロジェクトの構想を練り始めることとなります。セッションには、スコットランドが社会経済的な利益を旅行業から得られるようにするための課題やチャンスについてのディスカッションが含まれ、地元の社会起業家による様々な活動も取り上げられます。

本サミットの成果と寄せられたフィードバックにもとづき、Travalystのパートナーはサステイナビリティに関するフレームワークにさらなる改良を加えます。その後、必要なデータを関連する旅行サービス事業者から集め、結果を検証するための初期の試験運用を行い、開発中の点数評価の仕組みを消費者に対して今後提示していく予定となっています。また、現地のコミュニティが旅行に紐づく経済的な機会から利益を得て、最終的にそれらの機会を受け入れられるよう、パートナーはサミットで得たコミュニティとの協力に関する学びを、個々の地域に則した戦略を組み立て、試験運用版のプログラムとしてそれぞれのフレームワークに適用するために活用していきます。

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