もうすぐバレンタインデーです。この時期には、たくさんのチョコレートがお店に並びます。そんなチョコはいつから日本で食べられているのでしょうか。また、なぜ日本ではバレンタインデーにチョコを贈るのでしょうか。知りたいんジャーが調べました。【田村彰子】
チョコレートが日本に伝わったのは?
チョコレートは中央アメリカで生まれ、スペインからヨーロッパへ広がりました。1847年には、イギリスで現在の原形となる固形チョコが発明されています。日本に伝わったのは江戸時代になってからです。18世紀末、外国との貿易の窓口だった長崎・出島でオランダ人からもらったものとして「しょくらあと」と記録されていました。
1878年には、東京にあった菓子店「風月堂」がチョコを販売したという新聞広告が残っています。当時はあて字を使い、「猪口令糖」「貯古齢糖」と表記されました。
その後の1918年、森永製菓がカカオ豆を輸入し、自社で製造を始め、日本で一貫生産された初めてのチョコ「森永ミルクチョコレート」を発売しました。
バレンタインデーってどんな日なの?
日本では、女性から好きな男性にチョコレートを贈る日になってきました。外国では、男性から女性にカードや花束などのプレゼントを贈ったり、家族や友達で贈り合ったりしています。
バレンタインデーの起源には、さまざまな説があるようです。その一つに、3世紀にローマのキリスト教司祭だったバレンティヌス(バレンタイン)の名前にちなんで付けられたという説があります。
当時のローマ皇帝・クラウディウス2世は、兵士の士気が下がるとして、若い兵士たちの結婚を禁止しました。これに反対したバレンティヌスは若者たちをひそかに結婚させ、それに怒った皇帝に2月14日に処刑されたと伝えられています。バレンティヌスは敬われるようになり、2月14日がバレンタインデーとなったといわれています。古代ローマの祭りと、バレンティヌスの言い伝えが結びついたという説もあります。
日本で始まったのは?
バレンタインデーにチョコレートを贈るという習慣は、日本独自のものです。洋菓子のモロゾフ(本社・兵庫県神戸市)が1932年、日本でバレンタインデーにチョコを贈るスタイルを紹介しました。アメリカの友人から「アメリカやヨーロッパでは2月14日に愛する人に贈りものをする」という話を聞いた創業者が、この文化を日本でも広めたいと考えたことがきっかけだったそうです。35年2月には、日本に住む外国人向けの英字新聞にバレンタインの広告を掲載しています。
58年には、メリーチョコレート(本社・東京都)が都内の百貨店で「バレンタインフェア」を行い、チョコの販売を開始。翌59年には、女性から男性にチョコを贈ることを提唱しました。こうしたメーカーなどの動きが、バレンタインデーにチョコを贈る習慣の定着につながったとみられます。
どんなチョコが人気なの?
日本は世界有数のチョコレートの消費国です。特にバレンタインデーに近い時期には、デパートやスーパーなどでチョコレートのイベントが開かれます。
国内最大級のイベント「サロン・デュ・ショコラ」には、世界中から有名なチョコレート職人や会社が集まります。日本各地で開かれ、東京では1月から2月にかけて約150のブランドが参加しました。新型コロナウイルス禍の制限もなくなり、会場には行列ができました。チョコレートに詳しい料理ジャーナリストの並木麻輝子さんは「日本には世界からチョコが集まるので、いろんなタイプのチョコを楽しめるようになりました」と話します。中でも今年の人気は、チョコレートと一緒になった形のクッキーだそうです。
バレンタインも変化しているの?
女性が男性にチョコレートを贈る日とされる日本でも、贈り方は変化してきました。並木さんによると、新型コロナウイルスの影響で人との接触を避けていた時期をへて、職場などでたくさんの人に配る「義理チョコ」は、かなり減ったようです。代わりにお世話になった人に感謝の気持ちを込める「世話チョコ」や、友達に贈る「友チョコ」、自分に買う「自分チョコ」などが目立つようになってきたといいます。並木さんは「自分にちょっと高めのチョコを買う『ご褒美チョコ』も増えています」と話します。
新しい楽しみ方としては、好きなアイドルやキャラクターなど「推し」をイメージしたチョコを買い、心の中で愛をささげる「推しチョコ」があります。「推し」のグッズと共にチョコの写真を撮ってSNSにアップしたり、同じグループを応援する「推し活」仲間にプレゼントしたりしているそうです。<え・内山大助>
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からの記事と詳細 ( ニュース知りたいんジャー:バレンタインとチョコのあま~い関係 - 毎日新聞 )
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