好きなアイドルやキャラクターなど「推し」をイメージしたチョコレートを買い、心の中で愛をささげる「推しチョコ」がバレンタインの新しい楽しみ方として広まりつつある。「推し」のグッズと共にチョコの写真を撮ってSNS(ネット交流サービス)にアップしたり、同じグループを応援する「推し活」仲間にプレゼントしたりする。メーカーはトレンドに乗るべく、商品開発や販売で工夫を凝らす。
洋菓子メーカーのメリーチョコレートカムパニー(東京都)は全9種類の「推しごとチョコレート」(税込み972円)を公式サイトなどで販売している。
アイドルグループのメンバーには赤や青など、それぞれの雰囲気を表す「イメージカラー」があるケースが多いことに着目。9種類の商品の箱やチョコの色味を全て異なるようにして「推し」のイメージに合うチョコを多くの人が購入できるようにした。「推し」の写真などを使ってチョコや箱を装飾できる付属品もついている。昨年SNSで話題を呼び、今年は色や付属品を増やすなどリニューアルした。
スイスのチョコレートメーカー、リンツも今年から推し活商品を展開している。定番商品でカラフルな包装のチョコ「リンドール」を「推しカラー」の袋に詰め合わせられる「PICK&MIX推しカラーバッグ」(同200円、チョコは別)を全8色発売した。
ジェイアール東海高島屋が17日発表したバレンタイン意識調査(速報、2700人が回答)によると、購入したチョコの贈り先(複数回答可)は「推し」が12%に上った。「家族」が最多の33%だったが、「推し」は「本命」(4%)や「義理」(3%)を大幅に上回った。
同社の担当者は「自分へのご褒美としてバレンタインのチョコを買うことが数年前から定着してきたが、その楽しみ方が更に変わってきている」と分析している。同社によると、アイドルやキャラクターなど直接チョコを渡せない場合は、写真などを撮った後は自分で楽しむようだとしている。【加藤美穂子】
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