[東京 7日 ロイター] - 政府はきょう開く経済財政諮問会議で、新たな「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案を提示する。新時代にふさわしい経済社会を「創造」していく姿を示すとし、持続的な賃上げや金融資産所得拡大に向けた施策を打ち出すことなどを盛り込む。
先月開催した主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)の成果を強調し、西側諸国と距離を置くグローバルサウスへの関与を強化することも記す。
骨太原案は、1)マクロ経済運営の基本的考え方、2)新しい資本主義の加速、3)環境変化への対応、4)中長期の経済財政運営、5)当面の経済財政運営――が柱。ロイターが原案を確認した。
ロシアによるウクライナ侵略の長期化に加え、欧米のインフレ高進に伴う金融引き締めで世界経済の下振れリスクに対処する必要がある、と指摘する。四半世紀にわたるデフレからの脱却や、急速に進行する少子化克服も念頭に、「予算・税制、規制・制度改革を総動員し、持続的成長を実現する」との考えを打ち出す。
新しい資本主義を加速させるため、賃金の底上げや金融資産所得の拡大を通じて家計所得を増大させる施策も打ち出す。iDeCo(個人型確定拠出年金)の拠出上限引き上げについて2024年中に結論を得るほか、資産運用会社の抜本的な改革プランを年内に策定する。
脱炭素化では今後10年間で150兆円超の官民投資を視野に、グリーントランスフォーメーション(GX)推進戦略を定める。日本をアジアでのGX投資のハブとするため、国際金融センター機能も強化する。
環境変化を巡っては「国際秩序が重大な挑戦にさらされる歴史の転換期にある」との認識を示す。原案では、G7が結束して「グローバルサウスへの関与を強化するとともに、対ロ制裁や、ウクライナと周辺国への支援を推進する」との考えを明記する。
日本が重要物資のグローバルサプライチェーン(供給網)の中核となることを目指すほか、半導体分野への支援方針も明記する。
経済財政運営では、中長期の視点に立った持続可能な経済財政運営や社会保障制度の構築などを掲げる。原案では「5年から10年の中長期的視点に立って、民需を引き出し、社会課題を解決する投資を促進する」と記す。
新たな骨太方針では、経済・財政一体改革の進捗(ちょく)を24年度に点検・検証することを盛り込むほか、日銀が掲げる物価安定2%目標の持続的・安定的な実現に向けては「賃金の上昇を伴う形で」との考えを追記する。
(山口貴也、竹本能文)
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