英国Oxford大学のWilliam Herrington氏らNuffield Department of Population Health Renal Studies Groupは、SGLT2阻害薬の腎保護効果を調べたランダム化比較試験を対象にした系統的レビューとメタアナリシスを行い、この薬が2型糖尿病ではない患者に対しても慢性腎臓病の進行や急性腎障害のリスク減少をもたらすことが示唆されたと報告した。結果は2022年11月6日のLancet誌電子版に掲載された。
SGLT2阻害薬は2型糖尿病患者の心血管疾患発症や慢性腎臓病(CKD)の進行リスクを減らすことが示されている。世界的には2型糖尿病を合併していないCKD患者も多いことから、これらの患者に対する腎保護効果のエビデンスも期待されるが、SGLT2阻害薬は糖尿病治療薬として開発された薬であるため、以前に行われたメタアナリシスでは、非糖尿病患者で腎臓病の進行を調べた人数は延べ98人しかおらず、結論を出すことができなかった。
最近になって、CKDに対する効果を調べた臨床試験が糖尿病ではない患者対しても行われるようになってきたため、著者らは新たに系統的レビューとメタアナリシスを実施して、2型糖尿病ではない患者に対するSGLT2阻害薬の腎保護効果を調べることにした。
MEDLINE、Embaseに2022年9月5日までに登録されていた二重盲検のプラセボ対照試験で、18歳以上の患者を対象に、どの割り付け群にも500人以上登録しており、6カ月以上追跡して、有効性と安全性について報告していた研究を選びだした。
有効性の評価項目は、腎臓病の進行とし、eGFRがベースラインから50%以上低下した状態の持続、持続するeGFR低値(15mL/分/1.73m2未満または10mL/分/1.73m2未満)、末期腎不全(維持透析または腎移植が必要)、腎不全による死亡をあわせた複合イベントについて評価した。また、急性腎臓害、心血管死亡/心不全による入院をあわせた複合イベントの発生についても比較した。安全性に関する主要なアウトカムは、ケトアシドーシスと下肢切断について評価した。
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