デジタルホールディングス代表取締役社長でグループCEO(最高経営責任者)を務める野内敦です。当社は1994年の設立以来、長年にわたって「オプト」という社名で広告事業を主軸に成長してきた企業で、2020年に今の社名に変更しました。デジタルシフト事業へ自らの企業体を変革している最中であり、その変革をけん引する役割をCEOとして担っています。
このたび、「番頭から見える世界」と題した連載を始めることになりました。みなさんにとって「番頭」とはどのようなイメージでしょうか。
オーナーのようなトップが君臨して企業や組織の進むべき道を示し、番頭はその下でリーダーの指示をかみ砕いて現場に伝えてかじ取りをする。グループCEOという今の私の肩書を見ると、番頭ではなくトップなのでは? と疑問に思う方も少なくないでしょう。当社は共同創業者で現在会長の鉢嶺登が20年2月まで社長を務め、長らく組織をけん引してきました。私も共同創業者ではありますが、COO(最高執行責任者)として鉢嶺を支える立場にありました。グループCEOとなった今はトップとして組織を率いる立場になっていますが、番頭としての意識や視点は今も大事にしています。
(写真:的野弘路)
「友人同士の起業はうまくいかない」は本当か?
共同創業者である鉢嶺は付き合いの古い友人です。昔から「友人同士で起業するとうまくいかない」とよくいわれます。鉢嶺と友人同士でも継続してこられたのはレアケースでしょうか。一度もケンカをしたことはありません。お互いがあまりにも違い過ぎて、ケンカする理由がないのかもしれませんが。
会社をつくってからは友人としてではなく、常に「社会を」「会社を」「事業を」という議論に終始しているので、今ではビジネスパートナーとしてうまく付き合っている気がします。友人同士で、なれ合いの関係のままで起業すると、うまくいかないのかもしれません。
鉢嶺と私の関係は、端的にいうと起業家と事業家という役割分担でしょうか。鉢嶺が大きな世界観を打ち出すことで歯車を回す起爆剤をつくり、その大きな世界観をどうやって実現するかを考え、事業という具体策をつくるのが事業家である私の任務です。
事業をつくるとは、新しい価値を生み出すものであり、その事業を通じて、お客さまや社員、株主などすべてのステークホルダーがメリットを受けられます。事業が持続する必要条件、それは収益を出す「再現性」をつくることにあります。何通りあるか分からない事業のフォーマットを駆使し、タイミングや保有するアセットといったさまざまな変動要素の中でつくり上げていく、非常にクリエーティビティーの高いプロジェクトです。
私は事業そのものが好きというよりも、事業をつくっていく「過程」における新しい価値創造活動が魅力的であるがゆえに、事業を創ることに取りつかれているのかもしれません。そういった人たちを事業家と呼ぶのではないでしょうか。
そんな私がこの社会と会社の変革期にけん引役となるCEOに就き何をしようとしているのか、これまでの事業家としての人生を追体験していただきつつ、今現在取り組むIX(Industrial Transformation:産業変革)への挑戦をまとめていきたいと思います。
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