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Monday, May 2, 2022

嘘に近いあおりタイトルはどこまで許される?持続可能なコラムの条件 - ITpro

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 今回のコラムが公開されるのは、大型連休の期間中にぽつんと存在する平日だ。お仕事モードではない読者も多いだろう。そこで、いつもとは少し趣向の異なる話題を取り上げることにした。「記事のタイトル」についてだ。

 このコラム連載は、2019年4月に開始し、私の日本経済新聞社への出向に伴い、2020年3月に休止した。その後、日経BPに戻ってきた2021年10月に再開し、今に至っている。便宜上、日経新聞出向までをコラム1期、出向からの復帰後をコラム2期と呼ぶことにしよう。

 私の率直な感覚では、コラム2期よりもコラム1期のほうが読まれていた気がする。もちろん、日経クロステック自体がアクセス数至上主義というわけではない。サイトとして最も重視しているのは、読者の満足度だ。とはいえ、記事を執筆する立場としては、どうしてもアクセス数は気になってしまう。

 私のコラムのアクセス数が減った理由は、内容がつまらなくなったからかもしれない。ネタ切れで同じような話ばかりだと思われている可能性もある。

 だが、アクセス数の減少に一番影響していそうな原因には心当たりがある。コラムのタイトルであまりあおらなくなったことだ。

読んだ人を不快にさせる記事に意味はあるか

 実は、タイトルのあおりは意図的に減らしている。なぜ減らしたのか。それには明確なきっかけがある。私が2019年6月、この連載で書いた「Pythonはコードが書きやすい?ご冗談でしょう」というコラムだ。

関連記事: Pythonはコードが書きやすい?ご冗談でしょう

 ちなみに、このタイトルの「ご冗談でしょう」は、理系出身であれば知らない人はいないであろう「ご冗談でしょう、ファインマンさん」という有名な本のタイトルから拝借した。同書は、ノーベル物理学賞を受賞した著名な物理学者、リチャード・P・ファインマン氏の回想録である。

 このときのコラムの内容をざっくり要約すると「Pythonには細かい注意点はあるものの、とても優れたプログラミング言語である」ということだ。少なくとも私としてはそのつもりでこのコラムを書いた。

 私は、自分が書いた記事のブックマークコメントは、極力見ないことにしている。「どんな意見でも記事に生かせる」という考え方もあるだろうが、的外れな意見や否定的な意見もあるため、精神衛生によくないというデメリットのほうが大きいと思うからだ。

 ところが、日経新聞から帰ってきた直後くらいの時期に、このコラムのブックマークコメントを何かの拍子でうっかり見てしまった。コメントはほぼすべてが「価値のない記事だ」という意見だった。肯定的なコメントは皆無。予想通りである。

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