■要旨
- 米国では10月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比+6.2%となったほか、個人消費支出(PCE)価格指数も+5.0%と、いずれも1990年以来31年ぶりの水準となるなど、インフレリスクが顕在化している。
- インフレ高進の要因は新型コロナの感染拡大の影響で個人消費が対面型サービスから財へシフトする中、エネルギー価格の上昇や原材料価格、物流コストの上昇に加え、サプライチェーンの混乱などの供給制約もあって、財価格が大幅に上昇していることがある。
- 今後、感染が落ち着くことで、財からサービス消費へシフトすることが見込まれるほか、供給制約が解消することで財価格が下落し、来年以降はインフレ率の低下が見込まれる。当研究所はCPI(前年比)が21年に+4.4%となった後、22年に+3.4%、23年に+2.3%まで低下すると予想する。
- もっとも、足元でオミクロン株の感染拡大が懸念される中、今後のコロナ感染動向が見通せないこともあって、供給制約の解消時期には不透明感が強い。また、労働供給の回復遅れによって賃金上昇圧力が多くの業種に広がる場合や、住宅価格の高騰を背景とした家賃の上昇が持続する場合にはインフレが長期間高止まりする可能性はあろう。
■目次
1.はじめに
2.米国のインフレリスクが顕在化
・(CPI、PCE価格指数)総合指数は前年同月比で31年ぶりの水準
・(物価上昇要因(1))財需要の増加と財価格上昇
・(物価上昇要因(2))原材料価格、物流コストの増加
・(上昇要因(3))サプライチェーンの混乱に伴う供給制約
3.今後のインフレ見通し
・(今後のインフレ見通し)23年にかけてインフレ率の低下を予想
・(今後の注目ポイント(1))労働供給の回復と賃金上昇
・(今後の注目ポイント(2))家賃の持続的な上昇
からの記事と詳細 ( 顕在化する米インフレリスク-消費者物価は31年ぶりの水準に上昇。インフレは来年以降の低下予想も、長期間高止まりする可能性 - 株式会社ニッセイ基礎研究所 )
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