
中国・宝武鋼鉄集団、韓国ポスコ、台湾・中国鋼鉄(CSC)の東アジア鉄鋼大手3社の2021年1~6月期連結収益は、過去最高水準になりそうだ。コロナ禍で低迷した前年から一転。今年は熱延コイル販価で1千ドル前後となる記録的な高値が続くことから、宝武が半期で8千億円以上を稼ぐなど、空前の好業績となる。 すでにポスコは9日に1~6月期連結決算の暫定数値を公表。営業益は約3兆8千億ウォン(約3600億円)で前年同期比4倍以上となった。また、台湾・中国鋼鉄(CSC)の1~5月期累計営業利益が約254億台湾ドル(約1015億円)で、前年同期の約30億台湾ドルの赤字から大幅な黒字に転換。通期で円換算2千億円以上を稼ぐ勢いだ。 最大手の宝武は決算数字を公表していないが、関係者らの話によると、1~6月期で500億元(約8500億円、非鉄事業も含む)前後の収益(経常利益相当)を稼ぎそうだ。これにより、通期で収益1兆円を超えるのはほぼ確実となった。 下期も鋼材需給はタイト感が継続し、記録的な高値も持続する見通しで、各社ともに下期業績が大きく悪化することはなさそう。ただ、宝武にとっては、中国政府が強く指示する減産が下期業績のマイナス材料になる。例えば、すでに湛江(東山)製鉄所3号高炉の稼働準備は整っているが、いったんは稼働を6月から8月に延期したが、「減産のため、さらに延びるかもしれない」(関係者)状況。需要期の10~12月期に鋼材生産を増やせなくなるため、1~6月期ほど稼げない可能性がある。 また各社共通で下期業績に影響するのが、鋼材価格をこれ以上引き上げづらくなっていること。インフレ懸念から中国政府が鋼材価格の抑制に動きだし、宝山鋼鉄はすでに7月から2カ月連続で国内販価を据え置いている。中国だけでなく各国の流通・ユーザーからも大幅値上げに難色を示す声も上がっている。 ただ、米中景気に腰折れするような兆しが見えず、コロナ禍からの経済回復に各国政府は躍起で、鋼材価格のさらなる値上げは難しいものの、需給ひっ迫から高原相場は続くとみられる。収益が大幅に落ち込むような材料は見当たらず、21年通期は各社ともに過去最高益レベルの収益を稼ぐことになりそうだ。
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