トヨタ自動車は11月2日、FCV(燃料電池車)「MIRAI(ミライ)」の第2世代となる新型「ミライ」のプロトタイプ概要を発表した。合わせて富士スピードウェイのショートコースでサーキット試乗会を実施。フロント駆動からリア駆動へ、そして重量配分も50:50へと変更した走行性能の高さを体感するイベントを実施した。
トヨタの初代ミライは世界初の量産FCVとして、トヨタが自社開発したTFCS(トヨタフューエルセルシステム)と名付けられたFCVのシステムを搭載。水素から発電してモーターで走行するこのシステムは、発電機構に3.1kW/Lの出力密度、114kW(155PS)の最高出力を発生するFCスタックを搭載。最高出力113kW(154PS)/最大トルク335Nm(34.2kgfm)のフロントモーターを駆動する構成を採っていた。
新型ミライでは、FCVとしての構成を一新。まずは、FCVとしてではなく1台のクルマとして魅力的な商品であることを第一に構成。4975×1885×1470mm(全長×全幅×全高)というLクラスのボディサイズに進化。初代ミライが「プリウスα」のプラットフォームをベースに作られていたのに対し、新型ミライではレクサス「LC」などと同じくTNGAのGA-LプラットフォームをベースにFCユニットを構成。サスペンションアームなどはレクサス LCと同じものを持ちいているという。
FCVのユニットとしては、水素から発電するFCスタックが第2世代となり、体積出力密度は3.1kW/Lから4.4kW/Lに、最高出力が114kW(155PS)から128kW(174PS)へと強化。燃料タンクとなる水素タンクは、2本(4.6kg)から3本(5.6kg)と増量し、駆動用モーターも最高出力113kW(154PS)/最大トルク335Nm(34.2kgfm)から、134kW(182PS)/300Nm(30.6kgfm)へと高出力化されている。
水素タンクが増やされたこと、FCスタックの発電効率が改善されたことから航続距離も約650kmから約850kmへと3割ほど延長され、東京~大阪間を余裕をもって無充填で走行することも可能になった。なお、駆動用バッテリもニッケル水素からリチウムイオンへと変更。電池パックの高出力化、軽量化、小型化が図られている。
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