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Monday, May 20, 2024

食品値上げ コーヒー チョコレート オリーブオイルなど 家計への影響は 世界的「食料インフレ」第2波か - nhk.or.jp

食料価格は世界的に落ち着く傾向となっていましたが、いくつかの食品の価格が上昇し、「食料インフレの第2波」ともいえる状況になりつつあります。値上がりしているのはチョコレートの原料であるカカオ豆やコーヒー豆、それにオリーブオイルなどです。食品の値上がりの見通しや、外食を含む食品の支出への影響などについてまとめました。

“第2波 食料インフレ”

さまざまな食料の価格が上昇する「食料インフレ」の第1波とも呼べる価格高騰は、ロシアによるウクライナ侵攻後の2022年に起こりました。小麦やトウモロコシの先物価格が急騰し、世界に影響しました。

その後は値下がり傾向となっていますが今、新たな食品の値上がりが起きています。チョコレートの原料であるカカオ豆や、コーヒー豆などです。ロンドン市場の先物価格は一時、最高値を更新しました。食品値上げのいわば「第2波」とも見える状況になっています。

チョコレート専門店 “買い付け価格が2倍”

都内に4つの店舗があるチョコレート専門店は、原料となるカカオ豆をアフリカや南米などのおよそ20カ国の農家から直接買い付け、製造から販売までを手がけています。

しかし、カカオ豆の主要な産地であるコートジボワールとガーナでは干ばつや病害などで歴史的な不作となっているうえ円安の影響も重なり価格は高騰しています。

店によりますとカカオ豆の買い付けは春と秋の年に2度行っていますが、この春の買い付け価格は例年のおよそ2倍に膨らんでいるといいます。今後、商品の値上げで客離れが起きないか懸念しています。

コーヒーメーカーで値上げの動き

コーヒー豆をめぐっては、インスタントコーヒーなどの原料となるロブスタ種の産地、ベトナムで干ばつが発生し、収穫量が大きく減少しています。このため、世界的にコーヒー豆の価格が高騰していて、国内のコーヒーメーカーにとっては円安の影響も重なり仕入れコストがふくらんでいるかたちです。

「味の素AGF」は4月から家庭向けのインスタントコーヒー25品目について納品の価格を引き上げました。
店頭での小売価格は20%から25%ほど上がっているとみられるということです。

「UCC上島珈琲」は、ことし7月から家庭用のレギュラーコーヒー、ことし9月から900ミリリットルのペットボトルのコーヒーなどの出荷価格を引き上げるとしています。
店頭での小売価格は20%から30%上がる見通しだということです。また、業務用のレギュラーコーヒーも順次、値上げするとしています。

2人以上の世帯の食品支出 昨年度比4万3000円増

民間のシンクタンク、「みずほリサーチ&テクノロジーズ」は、2人以上の世帯の外食を含む食品の支出は、今年度は昨年度と比べて平均で4万3115円増えると試算しています。

それによりますと円安に伴う輸入物価の上昇などで食品の価格はことし夏ごろから値上げの動きが再び加速する可能性が高いとしています。

食品の支出の増加額を年収別に見ると、300万円未満の世帯は3万2968円、400万円から500万円では4万794円、700万円から800万円では4万6692円となっています。

“経済の回復 鈍くなる懸念も”

「みずほリサーチ&テクノロジーズ」の酒井才介主席エコノミストは食品の値上がりについて、「世界的に原材料価格が上がっているところに円安が重なっていることが要因だ。日本は輸入に依存しているので輸入品の円建てで見た価格が上がりやすい」と指摘します。

〇値上げの広がりは
今年の食料品の価格の上昇率を第2波と呼ぶとするとおととしから去年にかけての上昇率と比べると、ことしは値上げの波の高さは低くなる。ただ、ことしの大きな違いは大幅な賃上げがあったという点だ。原油価格の高止まりや円安の進行、それに人件費や物流コストの上昇が重なることによって、値上げの広がりが想定以上に広がる可能性がある。

〇物価の体感は
消費者からみると食料品を中心とした日用品の価格が上がり続けているというのが一般的な感覚で購入頻度が多いだけに消費者の体感物価は高まりやすく節約志向が強まるといえる。家計から見れば実質賃金はマイナスが続き、消費がしたくてもできない状況だ。個人消費が下押しされれば経済全体としての回復ペースが鈍くなってしまうことが懸念される。

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