観光客たちが旅行が環境に与える影響にますます意識を向ける中、多くの人気観光地もそれに気付いている。ヨーロッパでは鉄道が復興し、新しい高速鉄道路線やレトロ車両による観光ルート、さらにはドイツやポルトガルでの月間鉄道パスなど、新しい取り組みが続々登場。さらに、ギリシャ、イタリア、バリなどの世界中の人気スポットでは、過密を制限し、文化遺産を保護するための対策を実施している。
持続可能な観光をより身近なものにするため、市場調査会社であるユーロモニターインターナショナルは2023年8月中旬、2022年に最も持続可能だった都市のランキングを発表した。これは同社が99カ国を対象に56の異なる要素を評価して算出した、持続可能な旅行のための指数をベースにしたものだ。
同社旅行部門責任者であるキャロライン・ブレマーは、「指標には主に3つのタイプがあります。幸福度、平等、社会正義に関連する観光地の健全性、次にホテルのエネルギー使用など観光が地域環境に与える具体的な影響、そしてインフラの質や国際需要への依存度など観光の一般的な状態がそれに続きます」と語っている。
この指標からは都市だけでなく「世界で最も持続可能な国トップ20」も作成された。同ランキングの上位5カ国は、スウェーデン、フィンランド、オーストリア、エストニア、ノルウェーで、トップ20のうち、なんと19カ国がヨーロッパからラインクイン。それ例外では唯一、ウルグアイが入っている。
持続可能な都市については、世界各地に分散していることが明らかになったが、それでもランキングの上位を占めているのはヨーロッパの都市だ。トップ10のうち7都市が同地域、3都市がスペインからのランクインとなった。
その中で、持続可能な都市のトップになったのはオーストラリアのメルボルン。この都市は再生可能エネルギーに大きくかじを切っており、市内の電力の40%以上が太陽光発電や風力発電などによるものだという。また、「メルボルン・ファッション・ウィーク」など、カーボンニュートラルを実現したイベントも開催されている。
2位に入ったのはスペインのマドリード。2023年初頭からガソリンを使わないバスの運行を開始している同地では、余ったオレンジから発生するメタンを使って電気を作るという独創的な取り組みも行われている。なかなかクールだろう。
都市別のランキングは以下の通りだ。
2022年 持続可能な都市トップ10 (ユーロモニターインターナショナル社)
1. メルボルン(オーストラリア)
2. マドリード(スペイン)
3. セビリア(スペイン)
4. ストックホルム(スウェーデン)
5. タリン(エストニア)
6. トロント(カナダ)
7. パルマ・デ・マヨルカ(スペイン)
8. ラスベガス(アメリカ)
9. リスボン(ポルトガル)
10. ミュンヘン(ドイツ)
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