聞き手/藤井 省吾(日経BP 総合研究所 主席研究員)
物流を通じてサプライチェーンが直面する課題を解決し、顧客の価値創造の支援を目指す。環境・労働力・災害の3リスクに備え、サステナビリティを支援する「SustainaLink」の提供を始めた。
2022年5月にグループ理念を見直しました。
古賀 博文(こが・ひろぶみ)
三井倉庫ホールディングス 代表取締役社長 グループCEO
1981年慶応義塾大学商学部卒業後、三井銀行(現三井住友銀行)入社。2013年常務執行役員、14年三井倉庫ホールディングス入社、同年取締役上級執行役員、16年常務取締役、17年より現職( 写真:吉澤 咲子)
古賀 博文 氏(以下、敬称略) コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻の影響でサプライチェーンを維持する必要性が高まり、経営者の物流への意識が変わりました。こうした社会環境の変化に伴い、組織全体で確固たる価値観を築くためにグループ理念「パーパス」「ビジョン」「バリュー」を刷新しました。物流企業は今、二極化しています。お客様にソリューションを提供できる企業と、できない企業です。前者になるために今、当社グループは深化による攻勢の時を迎えています。
グループ理念の具体的な内容を教えてください。
古賀 パーパスは「社会を止めない。進化をつなぐ。」です。医薬品の物流を担う中で、コロナ禍でサプライチェーンが止まることは人の命に関わると再認識しました。暮らしと経済の最前線を支え、お客様と社会をつなぐ存在でありたいとの思いを込めました。ビジョンは「いつもも、いざも、これからも。共創する物流ソリューションパートナー」です。ステークホルダーと共創しお客様の課題を解決したいという思いです。
パーパスとビジョン実現のための行動指針が4つのバリューです。責任と誇りを持つ「PRIDE」、提案力と実行力を備える「CHALLENGE」、進化の起点である現場を重視する「GEMBA」、多様な人材を受け入れて新たな価値を見いだす「RESPECT」です。
3つのリスクに備える
新グループ理念で目指す成長戦略とはどのようなものですか。
古賀 グループの総合力結集によるトップライン成長の1つとして掲げたのが、サステナビリティ対応ビジネスです。このビジネスを具現化するサービス「SustainaLink(サステナリンク)」の提供を始めました。物流業界が直面する「環境」「労働力」「災害」の3つのリスクの解決を支援します。
環境リスクでは、気候変動対策として重要視されているCO₂削減に向けて、可視化と物流知見を通して物流オペレーションの変革を提案します。労働力リスクは、ドライバーの高齢化問題や時間外労働の上限規制による物流業界の「2024年問題」などに対応します。災害リスクは事業継続計画(BCP)対策に直結します。倉庫や工場でのリスクを可視化し、分散配置などを提案します。
お客様の課題解決を支援する中で見えてくるのは、3つのリスクへの対策が関連付いていることです。
トータルソリューションが不可欠ということですね。
古賀 サステナリンクでは特に環境リスクにおける物流特化のCO₂算定システム開発などの「可視化」と、可視化したデータを分析しサプライチェーンを網羅したCO₂削減を実行する「削減」のソリューションにお客様から反響をいただいています。
からの記事と詳細 ( 三井倉庫ホールディングス・古賀博文社長「物流の総合力で持続 ... - 日経BP )
https://ift.tt/oC4Xhkp
No comments:
Post a Comment