大阪府吹田市に本拠地を置き、大阪府を中心に近畿2府4県で介護サービスを展開しているライフケア・ビジョン。IoTを積極活用しつつ、高齢者が地域社会の中で孤立しない賃貸マンションの運営を始めた。SDGs目標の社会への浸透は、課題解決型ビジネスを展開する企業にどのような影響を与えたのか。
SDGs目標の導入は、もともと社会課題解決型のビジネスを進めていた業界にはどのような影響を与えたのだろうか。「はっぴーらいふ」というブランドで、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅の運営、それらに付随した介護保険事業や医療サービスを行っているライフケア・ビジョンに話を聞いた。
SDGsという共通目標が推進する
業界を超えた連携
SDGsが提示された2015年は、日本では「地域包括ケアシステム」という概念が拡充された年でもある。2025年には団塊の世代が後期高齢者になり、ますます高齢者福祉の財源不足が顕著になる。行政、民間、NPO等の団体などを地域の社会資源と捉え、それらが連携することで高齢者を支援するシステムを構築していく、という考え方だ。
ライフケア・ビジョンでも、それを想定して事業を展開してきた。しかし、設立の目的も組織形態も異なる地域の様々な主体が協力あうことは簡単ではなかった。それがSDGsという共通の目標が打ち出され、社会に広まったことで「これまで難しかった業種を超えた連携も、やりやすくなってきたと感じます」と、ライフケア・ビジョン代表取締役社長の祝嶺良太氏は話す。
SDGs目標を念頭に、自社以外の様々な組織と連携して、社会が求めるサービスを提供する。同社が2020年12月から新しく運営を開始した、元気な高齢者向けの「シニアアップデートマンション」はその一例といえる。
「高齢者のうち要介護の人は2割。残りの8割はまだまだ元気です。でも、自宅で暮らすのは不安という方も多い。これは、そういう方を対象にした、見守り付きの高齢者向け賃貸マンションです」と祝嶺氏は説明した。
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