東京五輪によるシーズン中断期間中に開催された本誌・週刊ポストの阪神V戦士OB座談会(8月16日発売号掲載)では、後半戦のカギのひとつとして挙げられていたのが打線の機能だった。“代打の神様”と呼ばれた八木裕氏は座談会のなかで、こんなふうに話していた。 「佐藤輝明効果か分かりませんが、前半戦は打線が凄く好調でしたよね。勢いを持続するには、やはり打線が機能しないといけない。後半戦でポイントになるのは大山(悠輔)だと思います。大山が打たないと“4番をどうする?”という話でゴチャゴチャしてしまって厳しいでしょう」 まさに、その懸念が的中した格好だ。3位に転落して迎えた8月31日の中日戦では、大山と佐藤がともにスタメン落ちして、クリーンナップにはマルテ、サンズ、ロハス・ジュニアが並んだ。“和製大砲”が牽引役となった前半戦とはまるで違う様相だ。佐藤について八木氏は、「1年目だから三振もある程度はいいけど、後半戦も主力として出続けるなら、直していかないといけない部分ですね」「高目のストレートを打ち出したら本物だと思います」と話していたが、首位陥落が決まった29日の広島戦で佐藤は、9回2死二、三塁の場面に代打で登場するも、高目のストレートを3球空振り。25打席無安打の自己ワーストを更新し、今季142個目の三振を喫した。 ストッパーとして1985年の阪神Vに貢献した中西清起氏、八木氏が後半戦への心配を口にするなか、座談会の場では唯一、広澤克実氏だけが「阪神は優勝できる。心配ない」と断言していた。シーズン後半戦再開からわずか2週間あまりでの首位陥落について、広澤氏がどう見ているのかを聞くと、こう話す。 「シーズンを通じてチームには好不調の波はあります。今はタイガースが不調で、ヤクルトに勢いがあり、ジャイアンツは横ばいという状況です。先発投手の安定度をみても、タイガースは最終的にはトップになります。大山もこのままでは終わらないでしょうからね」 まだ自信がある口ぶりの広澤氏だが、このままズルズル失速しないために、次のようなポイントを挙げる。
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