
もう40年も前のことだが、ボートレース蒲郡に『絶対負けない舟券師』がいた。作り話ではない。事実である。
その人は、大時計と1マークの中間あたりによくいたが、「外れた…」と言ったことがなかった。2連単全通りを買っていたからである。問題は配当。その配当で一喜一憂していたのをよく覚えている。楽しみ方、勝負の仕方に決まりはないと教えられたものだ。
さらに、こんなことも言っていた。「逃げもある、まくりもある、もしかしたらA級同士が大競りしてB級がくるかもしれん…、って考えとったら絞るに絞れん」。
舟券は、『選ぶ』と『捨てる』が表裏一体。迷うのは必然ともいえる。
「割り切らないと持続するのは難しい」
こう語るのは将棋の羽生善治九段。講演・講義・対談・インタビューなどさまざまな機会をとらえ、将棋について、人生について持論を展開してくれる真のオピニオンリーダーだ。
「読み筋は3の10乗以上の組み合わせになるので、手を読み切るのは限界があります」というのを聞いたことがある。どこかで割り切らないと進めないのだ。そして、その決断に『大局観』をもって臨むという。手筋の読み違いを怖がっていては勝負できないというのである。
「反省はするが後悔はしない。その反省も勝負が済んでから」は至言だ。
かの『絶対負けない舟券師』も割り切れない人物ではない。『自分は配当妙味で勝負する』と割り切る『大局観』をもっていたのである。
生き方や勝負のスタイルは、『割り切り方』や『大局観』によって決まるのかもしれない。
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July 10, 2020 at 10:01AM
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